まんが

鈴木先生、この世界の片隅に

きのうは午前中に町田市でお仕事、午後は帰宅途中の書店で平積みになっていた二冊をためらいなく購入し、夜まで繰り返し読んだ。鈴木先生 5 (5) (アクションコミックス)武富 健治双葉社 2008-07-11売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Toolsこの世…

岳 (7)

岳 7 (7) (ビッグコミックス)石塚 真一小学館 2008-06-30売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools 切り絵調の表紙がさわやかにカワイイ第7巻。 ヒトが景色を見て美しいと思い、感動さえするのはなぜなのだろう、とずっと不思議だった。とりわけ…

ホーリーランド17(ネタバレあり)

シンゴの誠実に打たれたショウゴが覚醒し、メグは間一髪のところで救出される。"ヤンキー狩り"こと神代ユウはボコボコにされるが、大怪我はなし。龍は意識不明、八木も(精神を)壊され、鉄もイザワマサキの敵ではなかった。そしてキングだけが残る。次の巻…

レッド

レッド 1 (1) (KCデラックス)山本 直樹 講談社 2007-09-21売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools かつて山本直樹の『ありがとう』を僕は読み進められなかった。しょっぱなから延々描かれる性暴力が耐えがたく不快で、比喩でなく吐き気を押さえ…

長い道/この世界の片隅に

長い道 (Action comics)こうの 史代 双葉社 2005-07-28売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools酒席で盛り上がった親どうしが勝手に決めた二人の奇妙に穏やかな結婚生活。というモチーフは、現在進行中の最新作:この世界の片隅に 上 (1) (アク…

岳 6

ああ、また山に行きたい。しかし、今いきなり北アルプスなんかに行ったら、典型的な〈若いときと同じつもりで山に入ってあっさり遭難する無思慮なオヤジ〉に100パーセントなることぐらいはわかっている。カラダを鍛えようとは思うんだけど、最近は腰痛気…

不思議な少年6

第5巻では「少し息切れ気味かな?」と思ったが、第6巻はなかなかいいハナシばかり。僕は〈人間が生み出した最も強いものは何か?〉という問いに、ひとりの原始人との交わりから答える第2話が好きだ。とはいえ山下和美は微妙に変わり続けている。後期(ま…

大奥

どうにかこうにか、仕事がひと(一瞬)段落。そういうわけで、遅まきながら、大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))よしなが ふみ 白泉社 2005-09-29売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))よしなが ふみ 白泉社…

鈴木先生と仁

鈴木先生 4 (4) (アクションコミックス)武富 健治 双葉社 2008-01-12売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools はあーー疲れた……。それどころじゃないのに、ついつい買ってしまった、読んでしまった(もう3回も)。小川あるいは「カミサマ」ある…

カノン

手塚治虫「戦争漫画」傑作選 (2) (祥伝社新書 (087))posted with amazlet on 07.11.07手塚 治虫 祥伝社 (2007/08)売り上げランキング: 21643Amazon.co.jp で詳細を見る 超名作「カノン」を巻頭に置いた、手塚の戦争物アンソロジー第2巻。戦争・セックス・宗…

破廉恥

近所のブックオフで拾った、とりみきの対談集『マンガ家のひみつ』を読んでいて、どうしても『ハレンチ学園』が読みたくなり、アマゾンで探してみたところ、ちょうど新装版が復刊中であった。オレにとって『ハレンチ学園』といえば「児島美ゆき」であり、い…

鈴木先生

上昇し続けるテンション、深まり続ける苦悩、しかし読まずにはいられない、そしてぐったりと疲れ果てる。鈴木先生の闘いは、あの東堂太郎(『神聖喜劇』)のそれよりもさらに張り詰めたものではないのか? むしろ、最終的に戦争そのものの周縁にとどまった(…

アメリカン・ビューティ、金魚屋古書店、愛のアランフェス

昨日はRapp教授のセミナーで疲れたのに、夜、ブロックバスターから届いていた『アメリカン・ビューティ』(面白い! しかし身につまされる……)を観てしまったので寝るのが遅くなり、当然今朝も遅起き。クリーニング屋に行ったり、必需品であるオレンジ・ジュ…

素晴らしい世界、ソラニン

ジャマイカ系の黒人の女の子に、「日本の若者たちは希望を失っていて、引きこもりとかニートとかが深刻な問題になっている」と話したら、ほとんどポカンと口を開けていた。世界一裕福なはずの人々がなぜそんなことになるのか、まったくわからないという。僕…

クロノアイズ

「読書日記」なのに、あんまり本のことを書いていないのは、NYに来てから昼間読んでいるのは生殖医療や遺伝医療、遺伝子工学と社会といった分野の(しかも英語の)論文ばかりだから。この日記は基本的に大学生向けに書いている(つもり)ので、そんなのを逐…

木星の渦のなかへ

最近の日常。ブルックリンお散歩ツアーに参加。あまりの寒さに風邪を引く。翌日、ニューヨーク・シティ・マラソンを見物。一瞬だがヌデレバ選手を見られて満足。だがそれより驚愕したのは、車椅子の部で、みんな競技用のハイテク三輪車に乗っているのに、そ…

マンガ名作選

気分転換にたまに行くのは「ブックオフ」ニューヨーク店。今日の夕方、2階のまんがコーナーで仕入れた柏木ハルコ『花園メリーゴーランド』を寝る前に読んでいたら、なんだか「まんが名作ベストテン」的なリストがつくりたくなってきた。最近毎日読んでいる…

漫画版『神聖喜劇』第三巻

予告通りに出た第三巻。前半は、「八紘一宇」の高邁なる理想をあくまでも信じる村上中尉と大前田の対決に、そしてあの忘れがたい「剃毛」のエピソードに至る不可思議な逢引の夜が挟まり、息を呑むような深い陰影が際立つ。そして後半では、「金玉はズボンの…

獣王星

アニメ化を記念してというわけではないけれど、ふと思い立って、樹なつみ『獣王星〔完全版〕』全3巻を大人買い、そして怒濤のように読了。内容は知っている人も多いと思うが、一応ネタバレに注意しつつ、ぼくなりに紹介してみよう。(設定についての説明は…

漫画版・神聖喜劇

大西巨人の超傑作・大長編小説をのぞゑのぶひさ作画・岩田和博脚色で漫画化した『神聖喜劇』を読み出したら止まらず、抱え込んだ仕事に押しつぶされそうになりながら、ついつい逃避心が働いて、第2巻までイッキ読みしてしまう。これは渾身の力作といってい…

西岸良平のSF

「コスモゾーン」は『三丁目の夕日 夕焼けの詩』第20巻の巻末に収録されている独立性の高い短編である。――時は2385年。人類は宇宙空間に巨大な未来都市「コスモゾーン」を築き上げていたが、果てるともない人口増によって、相変わらず都市は過密状態であった…

安穏族

研究室の整理をしていたら、石坂啓『安穏族』を発見して、ありがちなことだが延々熟読、そして号泣。若き石坂啓、なんという才能だったことか。紛れもなくこれは、あのふわふわ、ぶよぶよした1980年代というひ弱な時代の最良の部分だった。ここではじめて女…

西岸良平

西岸良平の世界では、世界はいとも簡単に終わる。たとえば初期の「地球最後の日」は――以下ネタバレあり、ご注意を――藤子・F・不二雄の名作「ひとりぼっちの宇宙戦争」と同じ設定なのだが、藤子のほうでは人知れぬ少年の闘いによって人類が救われるのに対し…

五十嵐大介

『リトル・フォレスト』しか読んでいない人にとって、五十嵐大介とは、「スローライフ」(第2巻のオビにそう銘打ってある)あるいは「ロハス」(オエッ!)を先取りしたまんが家というイメージの範囲に収まっているかもしれないし、あるいはそんな流行語で…

山原バンバン

で、その旅の途中、那覇の古本屋で見つけて買ったマンガが、大城ゆか『山原バンバン』(ボーダーインク)。沖縄北部、山原(やんばる)地方のどこかのシマに暮らす女子高校生の、なんということもない日常をセキララに描く。絵はうまくはないが硬質のかわい…