空間の謎・時間の謎

 内井惣七『空間の謎・時間の謎:宇宙の始まりに迫る物理学と哲学』(中公新書)を読了。ライプニッツ/マッハ路線の関係主義によって時空を再構成するという壮大なテーマを新書で一気に駆け抜ける。これはかなりキツかった。ぼくはブルーバックス・レベルの宇宙論とか量子力学とか相対性理論とかの解説書はそれなりに読んでいて、相対性理論における同時性の観念も、イメージ的には分かった気がしたこともあったが、なにせ教養レベルでも理論物理学を真面目に勉強したことはない。その程度の読者には話についていくのが困難だった、というか、まるで話が見えないところも多々あった。すごく面白いことが書いてある気はしたのだが。
 ともあれ、今度の本は著者ならではの限りなくディープなオヤジギャグ――とさえもはや言えない――はまったく登場しないので、ほっとしたり、なんとなく物足りなかったり。