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力関係

 先日、『知らないと恥ずかしいジェンダー入門』という本を朝日新聞社から上梓しました。内容については、それなりの存在価値がある本だと思っているのですが、題名については……出版元の意向と著者の好みにずれがあり、結局著者のほうが譲ってしまいました。一つはもちろん、「知らないと恥ずかしい」の部分。かなり真面目に言いますが、世の中に知らないと恥ずかしいことは確かにあると思うけど、この本の内容がそうだと言い切るつもりは僕にはない。それに、最近よくある脅迫的な題名ってあんまり好きじゃないんだが、まあこれくらいなら冗談の範囲か……。二つめは、細かいっちゃー細かいんだけど、ジェンダーに入門するというのは、ほんとはおかしい。ジェンダー論とか、せめて括弧を付けて『「ジェンダー」入門』にしたかったんだけど、これも押し通せませんでした。いや、本を作るというのは、著者ひとりの作業ではなく、編集、出版、装丁、印刷、宣伝のそれぞれに関わる人たちの共同作業なので、著者としてあんまりエゴを通そうとは思わない。僕はとくに編集者の意見は素直に取り入れる方だと思う。だからできあがったもの自体に不満はないし、特に編集者の方にはたいへん感謝しているけど、それとこれとは別と言うことで、みなさん、題名のことは大目に見てやって、ぜひ学生さんにお薦めください。