最高に凄い音楽

 昨年の秋、Amazon大江慎也!の新譜『The Greatest Music』を試聴して、これはただならぬことが起きていると感じ、東京の自宅に届くように注文しておいた。それをようやく聴くことができたのは昨日の電車の中。そして予感は当たっていた。同じ時に中古で思い切って買ってしまったルースターズのボックスセットからiPodに入れておいた超傑作『C.M.C.』や『ニュールンベルグでささやいて』を聴き、ルースターズの恐るべき想像力に改めてやられてしまった後で、少し不安な気分で聴き始めたのだが、なんなのだろう、大江のこの声の張りと、花田裕之のギターをはじめとするバンドの音の緊張感は! シンプルなロックンロールばかりなのに、まったくだれる隙を与えてくれない、予測をはるかに超えた圧倒的なバンド・サウンド。生き抜くことは正しい。いまこんなアルバムを作ってしまった大江慎也の現在における存在感を、ぜひともライブで体感したいものだ。