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鈴木先生

 上昇し続けるテンション、深まり続ける苦悩、しかし読まずにはいられない、そしてぐったりと疲れ果てる。鈴木先生の闘いは、あの東堂太郎(『神聖喜劇』)のそれよりもさらに張り詰めたものではないのか? むしろ、最終的に戦争そのものの周縁にとどまった(そしてそこからしか見えないものを凝視した)東堂に対して、鈴木先生のいる場所はほとんど比喩を超えて「戦場」そのものではないのか?(爆笑と外傷が背中合わせで押し寄せてくる点も、『神聖喜劇』と『鈴木先生』との共通項だろう)。 かつてウィリアム・ギブスン岡崎京子が見た「平坦な戦場」はどこに言ったのだろう?
 いつか、中村対小川という、考えるだけで目を背け、逃げ出したくなるような、逃げ場のない対決が、起こってしまうのだろうか? それまで僕も心臓をばくばくさせながら読み続けるしかない……。ホント疲れる。それでもオレは、最後までついていくぜ!