破廉恥

 近所のブックオフで拾った、とりみきの対談集『マンガ家のひみつ』を読んでいて、どうしても『ハレンチ学園』が読みたくなり、アマゾンで探してみたところ、ちょうど新装版が復刊中であった。オレにとって『ハレンチ学園』といえば「児島美ゆき」であり、いままで原作を読んだことはなかったのだ。早速届いた3巻(全6巻らしい)までを、恐る恐る読み始めたところ……。
 これもまた「68年」が生みだした徒花なのだろうか? もしかしたら、その最強の実例では? ともあれ、あの時代が永井豪という紙一重の天才を得て、その希有な条件の下ではじめて生みだされ得た、錯乱・狂乱のマンガである。ある意味で、あの「ススムちゃん大ショック」よりはるかにヤバイ漫画なのではないだろうか。こんなものを少年誌が載せられて、あまつさえテレビドラマ化されていたとは、やはりあの時代はあなどれない。この作品を非難したPTAはまったく正しかった。しかし、永井豪はもっと正しかった。その証拠に(?)、『ハレンチ学園』も含めて、観るテレビ番組に対する親からの規制を一切受けないで育ったオレも、別に人様を殺めるでもなく、汚職に手を染めるでもなく、それなりに堅実で平凡な大人に育ったよ。