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エレーヌ・グリモー、パーヴォ・ヤルヴィ、ブルックナー交響曲第7番

 今週の火曜日の夜は、サントリー・ホールでパーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送管弦楽団の「ブルックナー交響曲第7番」と、エレーヌ・グリモーを加えた「ベートーヴェン協奏曲第5番〔皇帝〕」を聴いた。
 「皇帝」の方は、曲の明るさ・優美さがさらに拡げられたような演奏。爽やかで良いのだけれど、いまひとつ食い足りないのも確かで、思えばグリモーさんのCD(指揮者・オケは別の人たち)もそんな印象だった。残念ながら、たぶんこのCDではグリモーの魅力はわからない。たとえば、下に挙げた「クレド」のCD(現在最高峰の超高音質SACDもあり)を聴けば、その透明にして建築的な響きを聴きとれると思う。

 パーヴォ・ヤルヴィブルックナーの方は、期待&予想を超える面白さだった。パワフルにがんがん行く指揮者だというイメージをもっていて、その通りではあったけど、びっくりしたのは何ともカラフルなブルックナーだったこと。いままでギュンター・ヴァントのいぶし銀な録音ばっかり聴いていたから相対的にそう感じるのかな、とも思ったが、いや音響的なダイナミック・レンジの広さといい、リズムの厚み(ブルックナーの音楽にはじめてベートーヴェンのようなグルーヴを感じた)といい、これはやっぱりヤルヴィさんの確たる個性だろう。僕が大好きな第2楽章はゆったりめのテンポで染み込むように聴かせてくれたし、第4楽章のラストの盛り上がりは沸き立つようだった。でも強いて言えば、どの楽章もあまりに力強すぎて、ちょっと平坦な感もあり。そのへんの「コク」がもうひとつ深ければ、感動の名演になったのになあ。

 それにしても感心したのは、演奏会のあとで疲れ果てているはずなのに、グリモー、ヤルヴィ二人そろって終演後にサイン会をやってくれたこと。しかもグリモーさんは僕が「ありがとう」というとにっこり微笑んでくれたこと。うーん、幾多の挫折を乗り越えた天才ピアニストにしてオオカミの保護活動に精を出している人の微笑みはやっぱり(?)違う。

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