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鈴木先生、この世界の片隅に

 きのうは午前中に町田市でお仕事、午後は帰宅途中の書店で平積みになっていた二冊をためらいなく購入し、夜まで繰り返し読んだ。

鈴木先生 5 (5) (アクションコミックス)鈴木先生 5 (5) (アクションコミックス)
武富 健治

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この世界の片隅に 中 (2) (アクションコミックス)この世界の片隅に 中 (2) (アクションコミックス)
こうの 史代

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 そして、この二作品を一日で立てつづけに読むのは、疲れるのでやめたほうがよいと思った……。

 それはともかく、『鈴木先生』はついに『掃除当番』のネタ(というか別の本として出版されている短編作品ほぼそのものがまるごと)が投入され、「教師から特に気を遣われるべき<事情>のない普通の生徒の底知れぬ苦悩」が抉り出される。そこを20分ぐらい息を止めて読み通せば、「小川家の家庭訪問」という楽しいシークエンスも惜しみなく繰り出されるのだが、しかし後半の「夏祭り」で起きたある事件をきっかけに、次の巻ではまたしても緊迫の展開になることが示唆され……巻末の煽り文句では「『カラマーゾフの兄弟』におけるミーチャ裁判に匹敵する」おそるべき状況が鈴木に襲いかかるとのこと……。

 『この世界の片隅に』の待望の続刊は、昨日から今日にかけての26時間ほどのあいだに、いったい何回読み返しただろうか。とりわけ、つかのまの休日にふらりと呉の北條家にやってきた水原哲と鈴との、つかのまの邂逅――柔らかいクリームをスプーンで軽く、さくっと掬うように、虚を突いて胸をえぐる、その切なくも物狂おしいエロスは、納屋の二階での一夜を描く86ページの出来事において極まる。そして時はもう容赦もせず昭和20年に入るのである。