トットチャンネル

 昨年末に入院して、ちょっと腹を切った。幸い経過は良好で、入院したのも6日間だけ。そして退院後にのんびりと正月を過ごしながら、本年初めて読んだ本がコレ。

トットチャンネル (新潮文庫)トットチャンネル (新潮文庫)
黒柳 徹子

新潮社 1987-03
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 トットこと黒柳徹子のエッセイ集で、若かりし頃のトットさんの活躍ぶりと草創期のテレビ界の事情が映し絵のように描き出されている。TVカメラのケーブルを踏んづけると映っている人の顔がゆがむと信じ、いつもスタジオでケーブルを踏まないように皆に言って回っていたとかいったトットさんならではの勘違いや失敗譚、いつも顔を合わせる度に「どう、僕と一回?」「何を一回ですか?」と挨拶のように言い合っていた森繁久弥をはじめとする業界人たちとの交流の模様など、たのしく心が和らぐハナシが次々に繰り広げられる。若きトットさんの輝くようなデタラメさに夢中になってしまう。とってもお正月らしい本なのだが、やはり手術後のまだ抜糸もしていないときに読むんだのはちょっと痛かった。よく盲腸の手術後の人を笑わせて痛がらせるという話があるが、実際に痛いのだった。(表紙の写真がものすごくかわいいのに、どうしてアマゾンには画像がないのだろう)。
 こっちはその続編で、わりと最近(といっても80年代まで)のことが多いので、上掲書に比べるとしみじみはしていないが、その分「手術後に読んではいけない」度がアップしている。山中湖畔で馬に乗ったところ、その馬がいきなり水の中に入っていって泳ぎ始め……といったスラップスティックな体験談が満載だ。 

トットの欠落帖 (新潮文庫)トットの欠落帖 (新潮文庫)
黒柳 徹子

新潮社 1993-08
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