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タビと道づれ

タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)タビと道づれ 1 (BLADE COMICS)

マッグガーデン 2007-04-10
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 ササキバラ・ゴウが褒めていたので読んでみた。〈同じ一日を何度も繰り返す町。そのことに気づいてはいるが、そこから出て行くことはできない少年たち〉という設定だけですでに勝利ともいえるが、それだけに作家の力量が試されるともいえる。本作は設定をていねいに活かした佳作だと思う。

 同じ一日を繰り返す町(村?)という設定のマンガは確か萩尾望都の短編にもあったが、あちらが普遍的な閉塞の恐怖を描いたのに対して、こちらはあからさまに現代日本社会におけるあるタイプの少年少女の心象を象徴する(と解釈せざるをえない)設定であり、物語はその「永遠の一日」を内側からこじ開けるための彼女たちの努力を描く。それだけで完結した時空、特別なサインをもっていないと通れない道が縦横に通っているという地理的条件、そのサインをもらったりあげたりできるというコマンド、すべてがモロにゲーム的世界の隠喩というよりゲームそのものだし、かつてそこに属していた(が排除もされていた)少女が再び外から戻ってくるというプロットも、それ自体なんだかオンライン・ゲームみたいだ。というわけで、RPGは『FF?』止まり、それどころかミルドラースも倒せなかったオヤジである私には正直「なんだかなあ」という感もつきまとうマンガではあったのだが、しかし古典的な少女マンガの古き良き感触も残したタッチが意外と心地よく、また登場人物たちのぐちぐちした会話も、完全に親目線で温かく見守ることができたので、楽しめました。

 それにしても、なんでそこまで「友だち」に関心があるのか、今となってはやはりよくわからん。「友だち」なんて、生きていく上で別に必要ではないものの筆頭格だと思うのだが、そういうことを少年少女に教えてこなかったのは、オレたちの罪なのだろうな。