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『ポール・サイモン・ハンドブック』

 はっきりしない天気の日曜。レトルトのカレー(S&Bの噂の名店マンダラバターチキン。うまい!)を食って、選挙に行って、午後はたまったお仕事を片付け中。
 BGMは、1965年にポール・サイモンが単身イギリスで一気呵成に吹き込んだソロアルバム。このあいだ吉祥寺の中古レコード屋で安く手に入れたもの。サイモンの歌とアコースティックギターの伴奏以外にはオーバーダブは一切なしの純粋きわまりない演奏なのに、たぶんS&Gのときよりも怒りを剥き出しにした、ややざらついた声とギターの巧さのためだろう、むしろ隙間のない、ウォール・オブ・サウンドみたいに濃密な音像が迫ってくる感じがする。間違いなく、ポール・サイモンの最高傑作だと思う。

 サイモン本人がながらく封印していた作品だが、現在はCDでも手に入るようになった。そのおかげで、S&Gのライブ以外では聴けなかった傑作「教会は燃えている」(Church is Burning)のソロバージョンも聴けるようになった。KKKが黒人教会に放火した事件を題材にしたメッセージソングで、そういう意味でも優れているのだけど、初めてこの曲を聴いたとき僕は、燃える教会が舞い上げる炎が祈りを捧げる手のように夜空を照らしだすという鮮烈なビジョンに打たれた。谷川俊太郎の「がっこう」という詩を思い出した。谷川氏はこの曲を聴いたのだろうか?








がっこう
             谷川 俊太郎

がっこうがもえている
きょうしつのまどから
どすぐろいけむりがふきだしている
つくえがもえている
こくばんがもえている
ぼくのかいたえがもえている
おんがくしつでぴあのがばくはつした
たいくかんのゆかがはねあがった
こうていのてつぼうがくにゃりとまがった
せんせいはだれもいない
せいとはみんなゆめをみている
おれんじいろのほのおのしたが
うれしそうにがっこうじゅうをなめまわす
がっこうはおおごえでさけびながら
がっこうがもえている
からだをよじりゆっくりたおれていく
ひのこがそらにまいあがる
くやしいか がっこうよ くやしいか



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ポール・サイモン

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(このCDは、私の持っているLPとはジャケット写真の左右が逆になっている。)