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平岡章夫『多極競合的人権理論の可能性:「自己決定権」批判の理論として』

多極競合的人権理論の可能性―「自己決定権」批判の理論として多極競合的人権理論の可能性―「自己決定権」批判の理論として
平岡 章夫

成文堂 2013-06
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 国会図書館に勤めながら早稲田で本書の元になる博士論文を書いた著者とは面識はないが、本書中で拙論を取り上げて批判してくれているので御恵投くださったのだと思う。「人権理論と政治哲学との接合を目指す一つの試み」として、人権および権利の概念を大胆に見直す作業の一環として「自己決定権」概念を否定的に論じる書。第3章第4節「加藤秀一による自己決定権分析」において拙論(加藤秀一「身体を所有しない奴隷:身体への自己決定権の擁護」『思想』2001年3月号)が論究されている。この論文は、当時の自分としてはそれなりに野心作だったが、例によって例の如く、付け焼き刃の政治哲学と分析哲学によって(こちらは付け焼き刃ではない)フェミニズムの議論を強化しようとほぼ無手勝流で悪戦苦闘した結果として明晰さを欠き、おそらくそのために目立った(肯定的であれ否定的であれ)反応を得られなかったので、少々寂しい思いをしていた。それが10年経ってからこうした検討の対象にされるのは嬉しいことだ。
 まだ全体をきちんと読んでいないので、議論の内容についての論評は差し控える。たぶん、こちらからの応答は、上の拙論を書いて以降じゅうぶんには前進させられていない自分自身の作業をここら辺でしっかり再発進させることによって果たすべきだろうし、本書の議論をそのための糧とさせてもらえればいいなと思う。