2006-04-19から1日間の記事一覧

安穏族

研究室の整理をしていたら、石坂啓『安穏族』を発見して、ありがちなことだが延々熟読、そして号泣。若き石坂啓、なんという才能だったことか。紛れもなくこれは、あのふわふわ、ぶよぶよした1980年代というひ弱な時代の最良の部分だった。ここではじめて女…

西岸良平

西岸良平の世界では、世界はいとも簡単に終わる。たとえば初期の「地球最後の日」は――以下ネタバレあり、ご注意を――藤子・F・不二雄の名作「ひとりぼっちの宇宙戦争」と同じ設定なのだが、藤子のほうでは人知れぬ少年の闘いによって人類が救われるのに対し…

五十嵐大介

『リトル・フォレスト』しか読んでいない人にとって、五十嵐大介とは、「スローライフ」(第2巻のオビにそう銘打ってある)あるいは「ロハス」(オエッ!)を先取りしたまんが家というイメージの範囲に収まっているかもしれないし、あるいはそんな流行語で…