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吉井和哉at武道館

武道館の吉井和哉は元気だった。前回のライブのしみじみした雰囲気も良かったが、今度はもう「普通」の状態。声も歌もうまくなっていたし、ぴょんぴょん跳ねていた。そして新しいシングル曲「BEAUTIFUL」の美しさ。<君の横顔は/beautiful>のところでは思わ…

フィギュアスケート

おれは13歳のときからかれこれ30年間、フィギュアスケートのファンである。ある春の午後、部活が終わって、いつものように中学校の前の文具屋兼パン屋でたむろしていたとき、たぶん好物のカルピスソーダを飲みながら、店先に積んであった『別冊マーガレット…

コメントとTBについて、『コスモス・ホテル』

このブログでは、コメントとトラックバックを設定していません。その理由は、それらがなんのためにあるのかが実感としてわからないから、というのが最も根本的ですが、もう一つは、仮に私の書いた記事にコメントをつけてくださる奇特な方がおられた場合、私…

英語教材・リスニング編

おれは自慢じゃないが英会話はまるでダメだが、英語は嫌いではない。英語教材もけっこう持っている。というか、試しては放り投げ、また買っては積ん読……の繰り返し、というのが正直な(情けない)実情である。。。が、気まぐれに、おすすめ教材をいくつか挙げ…

Josef Koudelka

原稿書きに疲れて、ヨゼフ・クーデルカの写真集を手にとる。ただしamazonでリンクされている版ではなく、昔の小さなフォト・ポッシュ版(いまは出ていないのだろうか)。戒厳令下のチェコスロヴァキアも、スペインの動物園の猿も、フランスの片田舎の道も、…

前回の続き

たとえば、「科学と人間」というテーマ。進化生物学が新たなステージに入っている現在において「人間」を考える上で最もホットかつ必須の(どんな意味でこのテーマをとらえようと)問題設定だ。 サルトルには二重の意味での科学批判があったと思う。ひとつの…

海老坂武『サルトル――「人間」の思想の可能性』(岩波新書)

風邪をひいて寝込みつつ、海老坂武『サルトル――「人間」の思想の可能性』をイッキ読み。ばくぜんと予想していたよりもはるかにエキサイティングな本だった。「あとがき」でベルナール・アンリ・レヴィの〈反人間主義〉的サルトル読解に真っ向から異議申し立…

吉井和哉「BEAUTIFUL」

吉井和哉氏のニューシングル「BEAUTIFUL」ビデオクリップが、こちらで1月25日24:00まで公開中です。本人が語る曲の背景も興味深い。2月のライブ、行きます。

東京都教育庁による「ジェンダー」論弾圧に抗議する声を募ります。

下の回に書いた件です。詳しくは、こちらのサイトをお読みください。そして、賛同していただける方は、専用フォームから、ぜひあなたの「声」をお寄せください。 締め切りは、26日(木)正午です。慌ただしくてすみません。翌日には東京都庁に届けます。 ま…

言葉、ジュディス・バトラーさん

言葉を大切にしよう。僕が教師として、若い学生たちに言いたいのは、たったこれだけのことだ。こんな言い方が古くさく、お説教じみて聞こえたら、どうか〈どうしてそう感じられるのか?〉まで考えてみてほしい。 国分寺市が企画した人権意識啓発のための講習…

Vandermassen『ダーウィンなんか怖くない』

Griet Vandermassen, Who's Afraid of Charles Darwin?: Dabating Feminism and Evolutionary Theory, Rowman & Littlefield (2005)は、タイトルからして僕の最近の関心にどんずばりだったので読んだのだが、あまり新しい発見はなかった。Margo Wilsonが序文…

小沢健二『LIFE』

僕はいまでも時々、小沢健二を聴く。どのアルバムも良いが、一枚を選ぶとすれば、やっぱり『LIFE』。50年代の洋楽以来、長く残るポップスはどこか虚ろで、胸を締めつけるほどではないけれど、心臓の脇あたりにしこりがあるような違和感がある。その痛みとも…

加藤周一『20世紀の自画像』ほか

昔から公立学校のカリキュラムや教科書を頭ごなしにけなす人たちはありふれていて、「学校英語はダメ」だとか「国語はもっと論理的な文章を」とかもっともらしい主張が倦まず繰り返されてきた(いる)のだが、その手の大雑把なクリシェってのは、たいていの…

リッキー・リー・ジョーンズのベスト・アルバム

リッキー・リー・ジョーンズの3枚組ベスト盤、duchess of coolsvilleは無敵だ。このどこまでも穏やかにセンシュアルな歌には、聴く者のあらゆる感情のくぼみにそっと分け入って、そこから少し息を呑むような思いがけない要素をさぐりあてて見せてくれる、い…

マーク・トゥエイン、不思議な少年

◆山下和美『不思議な少年』がおもしろかったので、御本家マーク・トゥエインの『不思議な少年』(中野好夫訳、岩波文庫)も読んでみた。もの凄い面白さだ。山下版とのちがいは、かの「不思議な少年」(a mysterious stranger)が明確に「堕天使」と説明され、…

野茂英雄と筑紫哲也

◆もう10年にもなるのか。野茂英雄がロサンゼルス・ドジャースに入団して新人王をとった1995年だったか、それともノーヒット・ノーランを達成した翌1996年のことだったか、正確には覚えていないのだが、安達哲が『コミックCUE』に短い作品を描いたことがあ…

BRUCE SPRINGSTEEN、ゆらゆら帝国

◆SIGHT最新号は「1975年」特集。でも表紙は『明日なき暴走』のジャケットだし、内容もスプリングスティーン関連の分量がいちばん多いから、実質的には半ばスプリングスティーン特集といってもいい。渋谷陽一氏の巻頭言もスプリングスティーンに合焦…

鏡リュウジ氏との対談と『図解雑学ジェンダー』

トップページにも書いたが、二つばかりお知らせを。◆今週末の4月2日(土)、鏡リュウジ氏(心理占星学研究家)と、朝日カルチャーセンター(新宿校)で公開講座をします。テーマは「『しあわせ』ってなに?」。近年の恋愛現象や、「しあわせ」「幸福」とい…

YOSHII LOVINSON、SHERBETS

2月のはじめにインフルエンザ(B型)にやられてしまい、一週間寝込んでから、どうも体調が良くない。喉がずっと乾いた感じで、咳もでる。たぶん気管支炎気味なのかな。そこに花粉症が加わって、いつもむずむずしている。もうこれからインフルエンザに罹る…

冬ソナ

先日、『週刊読書人』だったか『図書新聞』だったかで、一面が「冬ソナ」現象の特集で、二人の批評家(お名前は失念しました)が「左翼が冬ソナに言及するときに、侮蔑的な姿勢が目立つのが気になる」という指摘でうなずきあっていた。そうなのか。何を隠そ…

草間彌生、オノヨーコ

NHKの『英語でしゃべらナイト』で草間彌生を観た。略歴と作品の簡単な紹介の合間に、草間本人の短いインタビューがはさまる。英会話入門番組なので、当然ことばは英語だ。 これがもう凄くて、動詞はほとんど原型だけ、発音は完全なカタカナ英語、それをども…

自由意志論

D.C.Dennett, Freedom Evolvesを読了(前の読書日記であれこれ書いたときは、実はまだ最終章だけ読んでいなかったのです)。〈自由意志の有無を、私たち人間にとって意味のあるやり方で論じるには、形而上学も量子論も必要ない。人類が進化の過程で他の動物…

スピッツ『スーベニア』ほか

NECの水冷PCを買ったのだが……だーーっ、こりゃ駄目だ。 たしかにCPUファンの騒音はなく、電源ファンの音もまあ静かなのだが、とにかくHDのシーク音がガリガリバリバリとうるさい! 内部を開けて調べてみると、Seagateのバラクーダで、シリアルATA、160GBで…

『万物理論』ほか

おとといの夜、新宿の紀伊國屋書店で、『情況』に載っていた宮台真司のインタビューを立ち読み。内容は短い現状報告と決意表明で、格別の内容はなかったが、読み通すのはつらかった。僕は昔から、事柄の神経管のようなものを素早く抉り出す宮台氏の眼力と手…

ギャグマンガとお笑い、小山田大

きのうの続き。ダニエル・デネットの最新作で『ダーウィン〜』の続編ともいうべきFreedom Evolvesは、哲学史上の難問中の難問である「自由意志」の問題を、進化論のパースペクティヴから解決することに挑んだ野心的な著作である。この本を大学院の授業のテキ…

進化論の入門書

きのうの続き。ダニエル・デネットの最新作で『ダーウィン〜』の続編ともいうべきFreedom Evolvesは、哲学史上の難問中の難問である「自由意志」の問題を、進化論のパースペクティヴから解決することに挑んだ野心的な著作である。この本を大学院の授業のテキ…

ボブ・ディラン、『ダーウィンの危険な思想』、柳沢教授

2001年の『思想』に「身体を所有しない奴隷」という自己決定権論を書いて以来、もう3年以上、僕は理論的な論文を書いていない。何もしていなかったわけではなく、ちくま新書をこつこつ書いていたし、もうすぐナツメ社というところから出る予定のジェンダー…

2004年をふりかえって:The Who

昨年の最も素晴らしかった出来事。それはThe Whoのライブを体感できたことだ。もちろん正確にはピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーの二人だけの「元ザ・フー」にすぎない。けれども、真夏の横浜アリーナのステージに立ち、大音響を散乱させていたバ…

東京都における性教育弾圧と「ジェンダー・フリー」

◆子どもたちが性を肯定的にとらえ、自分の身を守り、他者を尊重できるように――。こうした願いのもとに地道な工夫を積み重ねて行なわれてきた東京都における性教育への取り組みが、現在、東京都知事(石原)、東京都教育長(横山)、民主党を中心とする数人の…

林芙美子『放浪記』

学生時代にはほとんど興味のなかった、明治から第二次大戦前までの文学をぼつぼつと読み始めている。二葉亭四迷の文章に対する驚きは旧い日記に書いた通りだが、しばらく前に読んだ林芙美子の『放浪記』も嬉しい驚きだった。 貧乏な若い女が職を転々としなが…