Josef Koudelka

 原稿書きに疲れて、ヨゼフ・クーデルカの写真集を手にとる。ただしamazonでリンクされている版ではなく、昔の小さなフォト・ポッシュ版(いまは出ていないのだろうか)。戒厳令下のチェコスロヴァキアも、スペインの動物園の猿も、フランスの片田舎の道も、すべて同じぐらい緊迫したドキュメンタリーだ。クーデルカの写真は、卓越した彫刻家が石の塊から像を掘り出すように、あいまいな時間の流れの中にあらかじめ凝縮されてあった一瞬をえぐり出したような感じがする。