プロテストソングの変遷

 昨日は家の近所でピーター・バラカン氏による「プロテストソングの変遷」という講座があったので出かけていった。狭い部屋に50人以上、ざっくばらんな雰囲気で正味2時間、曲は途中でfade out(これは仕方がない)ながら約20曲、聴いたことのなかった曲もあったし、知っている曲でも思いがけない背景を教えてもらえたので大満足。TVやラジオでもわかっていたが、彼はほんとうに話がうまい。ただバラカン氏の好みを反映して、ソウル系が多く、パンクはまったくなかったのが、ほんのちょっと物足りなかったけど。
 特に面白かったのは、ランキン・タクシー「誰にも見えない、匂いもない」原発を揶揄した曲で、なかなか楽しく不快な曲だ。僕は全然知らなかったけど、日本のレゲエ・バンドとしては有名な人たちなんですね。

 で、最初にバラカン氏が「いつでも質問やリクエストをどうぞ」と言ったのに前半はみんな黙って聴いていたので、ティー・ブレイクの後、ちょうどCCRの‘Fortunate son'がかかったときに、かねてからの疑問をぶつけてみた。それは、CCRの「雨を見たかい」(Have you ever seen the rain?)に出てくる「晴れた日に降ってくる雨」がベトナム戦争中の米軍によるナパーム弾のメタファーであるという説は本当かどうか、ということだ。バラカン氏の答えは、自分もその話は読んだことがあるが、疑問である、なぜならナパーム弾が降り注いでも「雨」という感じではない、ありうるのはむしろ枯れ葉剤ではないか、だが確証はない、というもの。すっきり解決とは行かなかったが、ピーター・バラカンが知らないのなら、これ以上のことはジョン・フォガティに直接尋ねてみなければわからないだろうと納得した。