日本人は英語のここが聞き取れない、ほか

 『日本人は英語のここが聞き取れない』(アルク)は、アルクらしくコスト・パフォーマンスの高い良書。単なるディクテーションのトレーニング本なのだが、「ヒアリングマラソン」の受講者たちに間違いが多かったポイントに的を絞った問題が「これでもか」というぐらいに繰り出されてきて、ぼくも同じところを間違うことが多かった(まだ半分弱しか終わっていないが)。痛いところを突かると悔しいので喪ティべーションも高まるし、英語のリスニング力をこれから向上させたいと燃えている中級の人には自信をもってお勧めできる。

 いきなり練習、練習を始める前に、もう少し体系的に自分の弱点やリスニング強化法を頭に入れておきたいという人には、『英語リスニング・クリニック』(研究社出版)も良い。こちらは、いかにも研究者らしく、少々堅っ苦しい本ではあるけれど、「受験勉強で文法や語彙はまあまああるけど、リスニングやスピーキングは全然駄目」人と「帰国子女でリスニングや日常会話はある程度できるけど、文法をバカにしているので複雑な内容を言えず、教養にも欠ける」人という2つの典型的なタイプを設定して、それぞれに合わせた処方箋=レッスンをシミュレーションしていくという体裁で、先を読もうという気にはさせてくれる。ただ、前者が男性で後者が女性と、思いっきりジェンダー・バイアスのかかったステレオタイプなキャラ設定が玉にキズだけど。

 それにしても、アルゼンチンは凄かったなあ。セルビア・モンテネグロ戦の2点目なんて、魔術のようだった。しかもディフェンスもがっちりしているんだもの、どこも勝てるはずがない。今日のガーナvs.チェコ戦も良かった。アメリカがイタリアに引き分けたのは意外で、このE組はすごいことになってますね。
 ぼくとしては、トーゴにもう一度ゴールを決めてもらって、あのカエル風?ダンスを見てみたい。
 そして日本には、「同じ人間だろ?」という気持ちをもって、ブラジルを前向きに破ってほしいと思う。