資本論〈第1巻(上)〉 (マルクス・コレクション) Karl Marx 今村 仁司 鈴木 直 筑摩書房 2005-01 売り上げランキング : 83701 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容は、もちろん、めちゃくちゃ面白い。価値とは何か、交換とはいかなる現象か、社会という概念、人間の同質性という観念の歴史性、貨幣と言語の異同……といった一般的な問題について、いきなり胸ぐらをつかむような鋭さの議論がぐいぐい展開されてゆくわけだ。(マルクスが、商品たちの「社会」をいうのは、人間社会からとってきた二次的な比喩ではない。)
参考書としてあれこれひっくり返してみたなかで、約20年ぶりに読み直してみて、やっぱりこれは凄い本だったと改めてしみじみしたのは、
マルクスその可能性の中心 (講談社学術文庫) 柄谷 行人 講談社 1990-07 売り上げランキング : 131893 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
それにしても、『資本論』があって、この本だってあったのに、どうしてその後も曖昧模糊とした「構築主義」(=ただの俗流観念論)なんてものが流行ったのだろう? (「クレーム」活動をめぐる社会学的に使用範囲の限定されたハナシとかは別によいのだが)。