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マンガ名作選

 気分転換にたまに行くのは「ブックオフ」ニューヨーク店。今日の夕方、2階のまんがコーナーで仕入れた柏木ハルコ『花園メリーゴーランド』を寝る前に読んでいたら、なんだか「まんが名作ベストテン」的なリストがつくりたくなってきた。最近毎日読んでいるブログの作者で51歳独身男性超音楽マニアの人が、テーマを決めた編集CD−Rづくりにすべての精力を費やしているのに感化されたこともある。といっても実際に考えてみたら無条件のベストテンなど決められるわけもなく、とりあえず「一定以上の長編で、我が精神形成に絶大な影響のあった作品、かつ時代の証言として、現在の若者にも無理矢理にでも読ませたい」名作のリストをつくってみた。基本的に有名な作品ばかりなので、どれも中古なら簡単に手に入れられる。

1.手塚治虫『人間ども集まれ!』
2.山上たつひこ『光る風』
3.吉田聡『湘南爆走族』
4.江川達也『BE FREE』
5.わたせせいぞう『ハートカクテル』
6.萩尾望都『スター・レッド』
7.西岸良平『夕焼けの詩――三丁目の夕日』
8.宮崎駿『風の谷のナウシカ』
9.安達哲『キラキラ』
10.樹なつみ『獣王星』

 隠れキーワードは「ユートピア」。
 このリストで、たぶん多くの人が意外に思うのは、『ハートカクテル』だろう(もっとも、いまの学生諸君は知らないだろうが)。連載当時から、すでに相原コージ『コージ苑』においてパロディにされていたほどなのだから。セゾン文化の時代に翳りが見え、バブルの濁流の不気味な地鳴りが微かに聞こえ始めた、まだ「オサレ」などという言葉がなかった時代のことだ。しかしぼくはこの「やさしさの時代」の体液のような作品になぜか胸をかきむしられることがあるのだ。唐突だが、原民喜のいくつかの詩を読んだときのような、生の儚さを感じてしまうのだ。