2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤周一『20世紀の自画像』ほか

昔から公立学校のカリキュラムや教科書を頭ごなしにけなす人たちはありふれていて、「学校英語はダメ」だとか「国語はもっと論理的な文章を」とかもっともらしい主張が倦まず繰り返されてきた(いる)のだが、その手の大雑把なクリシェってのは、たいていの…

リッキー・リー・ジョーンズのベスト・アルバム

リッキー・リー・ジョーンズの3枚組ベスト盤、duchess of coolsvilleは無敵だ。このどこまでも穏やかにセンシュアルな歌には、聴く者のあらゆる感情のくぼみにそっと分け入って、そこから少し息を呑むような思いがけない要素をさぐりあてて見せてくれる、い…

マーク・トゥエイン、不思議な少年

◆山下和美『不思議な少年』がおもしろかったので、御本家マーク・トゥエインの『不思議な少年』(中野好夫訳、岩波文庫)も読んでみた。もの凄い面白さだ。山下版とのちがいは、かの「不思議な少年」(a mysterious stranger)が明確に「堕天使」と説明され、…