2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

日本人は英語のここが聞き取れない、ほか

『日本人は英語のここが聞き取れない』(アルク)は、アルクらしくコスト・パフォーマンスの高い良書。単なるディクテーションのトレーニング本なのだが、「ヒアリングマラソン」の受講者たちに間違いが多かったポイントに的を絞った問題が「これでもか」と…

楢山節考

母に頼まれて録画しておいた木下惠介監督『楢山節考』をDVDにコピーして、確認のために軽い気持ちで見始めたら、ぐいぐい引きずりこまれて止まらず、最後まで息を呑むように観きってしまった。これほどの傑作だったとは、今まで知らずにおいたのは不徳のかぎ…

補足・「愛国心」の基礎

『全体主義の起源』のドレフュス事件に関する記述には、ドレフュスを擁護したクレマンソーの次のような言葉が註として添えられている(邦訳第1巻、175頁)。「愛国主義のためには祖国がなければならない。そして正義なしには祖国はない。法律なしには祖国は…

犯罪、自由、『全体主義の起源』

物心ついたころに「三億円事件」や「大久保清事件」に強烈な印象を受けたせいなのか、子供の頃のぼくは犯罪というものにものすごく興味があって、学研から出ていた犯罪や科学捜査の紹介本を繰り返し読んだものだった。中学一年のときには<ケネディ暗殺の真…

戦う男たち、2匹の白い幼虫、海辺の家

昨夜、冬樹蛉さんの[間歇日記]世界Aの始末書で紹介されていたブログ特殊清掃「戦う男たち」(←読者を激しく選ぶ内容なので、まず「自殺・孤独死・事故死・殺人・焼死・溺死・ 飛び込み・・・遺体処置から特殊清掃・撤去まで施行する男たち」という副題を見て…

We Shall Overcome

ブルース・スプリングスティーンの意外な新譜、すべてピート・シーガーの曲のカヴァーという『ウィ・シャル・オーヴァーカム』は、予想をはるかに!超えて楽しい作品だった。この中で表題曲だけは1998年に企画ものアルバムでリリースされていたものだが、他…

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

……の新譜『ステイディアム・アーケイディアム』は、いいじゃないか。超傑作『カリフォルニケイション』のあと、僕には前作の『バイ・ザ・ウェイ』はむしろ地味で物足りなく感じたが、今度のやつは2枚組にもかかわらず、密度というか、「ついつい繰り返し聴…