2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

iPOD、英語

NYに出発する日が刻一刻と近づいていて、たまった原稿をやっつけるために必死にない頭を絞りつつも、その傍ら、iPODのいちばんデカい60Gのやつに手持ちのCDを片っ端から詰め込んでいる。256bpsの比較的高音質の転送レートで、もう2500曲以上入ったけど、あ…

戦争と革命と障害者

川端利彦「戦争の役にたつ」「革命の役にたつ」ってどういうこと? http://www.hi-ho.ne.jp/soyokaze/kawabata.htm「精神障害者は革命の役にたたない。それより外科、内科などの技術を身につけて山村工作に加わるべきだ。」……そういう考え方が何かクールな、…

漫画版『神聖喜劇』第三巻

予告通りに出た第三巻。前半は、「八紘一宇」の高邁なる理想をあくまでも信じる村上中尉と大前田の対決に、そしてあの忘れがたい「剃毛」のエピソードに至る不可思議な逢引の夜が挟まり、息を呑むような深い陰影が際立つ。そして後半では、「金玉はズボンの…

獣王星

アニメ化を記念してというわけではないけれど、ふと思い立って、樹なつみ『獣王星〔完全版〕』全3巻を大人買い、そして怒濤のように読了。内容は知っている人も多いと思うが、一応ネタバレに注意しつつ、ぼくなりに紹介してみよう。(設定についての説明は…

安倍晋三と統一教会

ところで、内藤朝雄のいう「毒物のような第二の国家観」を体現するような安倍晋三氏と統一教会との関係については、先月、安倍氏が統一教会系の集会に祝電を打ったことに対して弁護士が公開質問状を出したことが各紙で報道されたが(6月19日、20日)、それっ…

二つの国家観

内藤朝雄「二つの国家観」(『図書新聞』第2782号、2006年7月15日、時評思想)が激オモ。国家観には二種類ある。ひとつは「国家を、一人一人の人間の共存と福祉のための公共財である機械装置(からくりしかけ)と考えるもの」で、このような国家は「水道や電…

見田宗介『社会学入門』ほか

御大・見田宗介さんの最新著。これは不思議な本だ。ある意味で非常にオーソドックスな社会学史をふまえた近代化論が展開されているのだが、全体としては見田宗介/真木悠介の作品としか言いようがない感触に包まれている。個別の論点としては、<他者の両義…

齋藤純一『自由』

岩波「思考のフロンティア」シリーズの一冊。非常に良い出来。形而上学的な自由意志論や経済学的な議論はばっさり省かれているが、政治哲学的な「自由」の思想史として超高密度にまとまっているだけでなく、言及されるすべての思想家や思想潮流それぞれの独…

思索日記

ハンナ・アーレント『思索日記 ?』(邦訳・法政大学出版局)は、一行一行が濃密すぎてなかなか読み進めることができない。最初のほうに出てくるこんな断章から、何冊もの本が生みだされそうだ。 人間は一つの潜在的可能性であり、すべての人間には本質的に同…

生と権力の哲学ほか

檜垣立哉『生と権力の哲学』(ちくま新書)。フーコーのいわゆる「生権力」論と、それをめぐるドゥルーズ、アガンベン、ネグリらの批判的展開についての要約・解説として、よくまとまっている。フーコーたちの本を読んで頭を抱えている大学生諸君には良いガ…