2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

鈴木先生

上昇し続けるテンション、深まり続ける苦悩、しかし読まずにはいられない、そしてぐったりと疲れ果てる。鈴木先生の闘いは、あの東堂太郎(『神聖喜劇』)のそれよりもさらに張り詰めたものではないのか? むしろ、最終的に戦争そのものの周縁にとどまった(…

ただのおしゃべり

これも前から気になっていた、絲山秋子氏の『沖で待つ』と『イッツ・オンリー・トーク』をようやく読んだら、なにかが普通のと違うマッサージを全身に受けたような感じがして、とても気持ちよくなった。細かく書きたいことがいろいろあるが、それはまたいず…

スーツケース、VOCE

3月の終わりにニューヨークから帰ってきたとき、3つの大きなスーツケースのうち1つは成田から宅急便で自宅に送り、あとの2つをひきずりながら地元の駅に到達した。すると、なんとホーム改造工事中で、頼みのエレベーターもエスカレーターも動いていない!…

差別と権力

前からずっと気になっていた魚住昭『野中広務――差別と権力』(講談社文庫)を、近所のブックオフの100円コーナーで拾って、思わず一気読み。期待にたがわぬ面白さだった。唸らされ、考え込まされるエピソード満載だが、とりわけ野中氏が「加藤紘一の乱」を剛…