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ストーンズとレノン

 ストーンズ『メインストリートのならず者』)写真右)をLPで聴きながら読書。じつはついこの間まで、ローリング・ストーンズについては「何枚かのアルバムやベスト盤を聴くかぎり、かなり好きではあるが、"ストーンズこそ最高!"と叫んでいる人たちの気持ちはいまひとつわからない」というのが僕の正直なスタンスだった。もちろん好きな曲もいくつもあったのだが、でもそれも「シーズ・ア・レインボウ」とか「悪魔を憐れむ歌」とか、どちらかというとストーンズらしさとされているオーセンティックなロックンロールからはちょっと外れた曲が多かった。このアルバムも、2枚組だしなんだか面倒くさいな〜ということで未聴だったのだけど、先週だったか、行きつけの中古レコ屋で比較的安くて程度の良いLPを見つけて、まあジャケットは確かに格好いいし一応買っとくか、ぐらいのノリで買ってきたのであった。
 いやもーすみませんでした。それからは、自宅の書斎にいるあいだはひたすらこれを回しています。他のアルバムでは『ベガーズ・バンケット』も好きだけど、『メインストリートのならず者』は何というのだろう、すべてが潔く、深い。わざとらしさとか、あざとさのようなものがほとんど感じられない。キース・リチャーズがいつも言う、自分たちのルーツを次世代に伝えるという姿勢がとてもストレートに響いてくる。これを聴いてようやく、ルースターズブルーハーツがなぜあれほどストーンズを賞賛するのかがわかってきた気がする。たぶん、ローリング・ストーンズという名前やキャラクターを忘れるべきなのだ。R&BやR&Rがごたまぜに流れるラジオから、たとえば(このアルバムの冒頭を飾る)「ロックス・オフ」が聞こえてきたとき、ありふれた曲だけど気持ちのいいビートだなと思う、そういう構えない構えで聴くべきバンドだったのではないか、と思った。少なくともキースは、そういうリスナーがいることを知れば、余裕で微笑むだろう(ミック・ジャガーは違うかもしれないけど)。

 ちなみに写真左はジュリアン・レノンのファーストアルバム『ヴァロッテ』。これもやたら綺麗なジャケットの国内盤LPを見つけたので買ってきた。この表題曲を、渋谷陽一の番組で初めて聴いたときは息が止まったなあ。すべてのリスナーが、父親が甦ったのかと錯覚したに違いない。このアルバムはなかなか良い曲が揃った佳作だが、その後のジュリアン・レノンはこの水準の曲をなかなか作れていないと言わざるをえないのが少々寂しい。