アメリカ医療の光と影

 このあいだマイケル・ムーアの『シッコ』を観て面白かったので、積ん読だった本書を一気読み(医学書院がなぜか毎号送ってくださる『医学界新聞』に連載中の「続・アメリカ医療の光と影」は愛読していたのだが)。著者はボストン在住の元医師で、医療を安易に「自由競争」原理に任せるとどうなるかを説得的に論じた、寒けのするような内容である。「混合医療」の何がやばいのかもよくわかる。ただし著者はアメリカの医療実践そのものの(日本と比べての)質の高さも強調しており、単純な反米路線ではない。